特定調停は2002年2月に施行され、まだそれほど日がたっていません。あまり知れ渡っていないため、いろいろな疑問があるでしょう。ここでは、特定調停に関するよくある質問にお答えしましょう。
Q1.特定調停ってなに?
特定調停とは、2002年2月に施行された「特定債務等の調整の促進のための調停に関する法律」によって定められた制度で、裁判所の力を借りて弁護士に頼らず借金を少なくする方法です。支払不能になる可能性のある人が対象です。簡易裁判所に申立てをして、調停委員があなたと債権者の間に入って交渉してくれるので、交渉が苦手な人でも心強いでしょう。調停によって減った借金を3〜5年ほどで返済していくことになります。
Q2.費用はどのくらいかかるの?
申立てをする債権者1社につき、印紙代が300円、切手代が420円の合計720円です。10社申立てるとすると裁判所に納めるお金は7200円になります。これは裁判所により若干の違いがありますが、ほとんど変わらないでしょう。また、司法書士や弁護士に書類の作成を依頼することもできます。これは債権者1社につき3万円が相場でしょう。
Q3.特定調停申立書はどこでもらえるの?
あなたの家に一番近い簡易裁判所でもらってください。もしわからなければ、電話帳や地図、インターネットで調べるといいでしょう。
Q4.特定調停のデメリットは?
特定調停の申立書類一式を自分で作成しなければなりません。普段やり慣れてないないため勝手がわからず、かなり面倒な作業といえるでしょう。
それともうひとつ。特定調停をしたという事故情報が信用情報機関に登録されるため、向こう7年ほどは銀行や消費者金融から融資を受けることはできませんし、またクレジットカードを作ることもできません。信用情報機関に事故情報が登録されるデメリットはこの他にはありません。
Q5.自己破産したことがあるけど、特定調停できる?
自己破産をして免責がおりると、その先7年間はたとえ自己破産を申立てたとしても免責を得ることができません。そういう場合でも、特定調停により借金の減額が可能です。
Q6.本人の代わりに申立てることはできる?
家族の借金を、本人の代わりに特定調停の申し立てをすることはできません。 借金をどうやって解決させるか、本人と話し合ってきめられるといいでしょう。
Q7.裁判所には何回行くことになる?
の合計4回です。
債権者が多かったり、話がまとまらなかったりすると調停の回数は増えるので、その分多く裁判所に行かないといけません。
Q8.一部の債権者だけ申立てることはできる?
はい、できます。
取引歴の長い債権者だけを申立てることもできますし、事情があって特定調停できない債権者を除いて申立てることもできます。あなたの都合に合わせて利用してください。
Q9.保証人に迷惑がかかるの?
特定調停を利用しても保証人には何の影響もありません。ですから、保証人がついている借金がある場合は、自己破産より特定調停のほうが良いのではないでしょうか。
Q10.特定調停をすれば取立ては止まるの?
簡易裁判所に特定調停の申立てをすると、受理証明書をもらうことができます。それをすべての債権者に送付してください。そうすれば、取立ては止まります。
Q11.ギャンブルや浪費でできた借金でも特定調停できる?
自己破産の場合、ギャンブルや浪費は免責不許可事由であるために免責を得ることが困難ですが、特定調停の場合は借金の原因に関係なく利用することができます。
Q12.滞納している税金も特定調停で減額できるの?
残念ながらなりません。どんなに滞納していたとしても、特定調停で税金の支払いを延期・停止することはできません。
Q13.どんな書類が必要なの?
申立てに必要な書類は
- 特定調停申立書
- 関係権利者一覧表
- 住民票
- 戸籍謄本
- 給料明細、源泉徴収票など、収入を証明する書類のコピー
- 資産状況調査表(不動産や車などがあれば、それに関する書類)
- 家計簿など
が、一般的です。 地方によって、提出しないといけない書類がちがうので、簡易裁判所で 特定調停申立書一式ををもらうときに、きいてみましょう。 関係権利者一覧表ですが、申し立てをする会社だけでなく、あなたが借金をしている会社全部をかいてください。
Q14.1回目の調停はなにをするの?
1回目の調停は調停委員との話し合いです。あなたが提出した書類や債権者から提出された計算書(あなたとの取引履歴、借金総額などが記載されています)を見ながら、あなたの家計の状況について話をして、浪費をしていないか、3〜5年で完済することができるかなどを判断します。事前に返済計画を立てておくといいでしょう。
Q15.2回目の調停はなにをするの?
1回目の調停で調停委員と話し合いがまとまれば、2回目の調停に債権者も出席します。しかし、あなたが直接債権者と交渉する必要はありません。調停委員があなたと債権者の間に入り、調停委員の主導の下に交渉が進められます。
債権者が出席しない場合もあります。その場合は、調停委員が電話で債権者と交渉することになります。
Q16.特定調停期間中の返済はどうなるの?
その貯まったお金で一括返済するのもいいでしょう。交渉次第でさらに減額してもらえる可能性が高いです。特定調停期間中(2〜5ヶ月)は支払いをしなくていいので、調停がおわって、再び返済がはじまるときのために、お金をためることができるんです。 この期間をうまく利用して、お金をためましょう。
Q17.特定調書ってなに?
債権者と和解が成立すると、数日後に裁判所から和解の内容が記載された特定調書が送られてきます。
そこには、毎月の支払額や利息、遅延利息、何度目の延滞で強制執行になるかなどが書かれています。
Q18.特定調停のあと滞納するとどうなるの?
家財道具や給料の差し押さえなど、強制執行が行われます。滞納することがないよう、無理のない返済プランを立てましょう。